エアコン(クーラー)が冷えない原因はいろいろあると思いますが、第一に吹き出す風の温度が下がらないから室温が下がらないということがあります。これは冷媒ガスの不足などの問題があり、故障の類になりますからおそうじでは解決は難しいと思います。
エアコン(クーラー)が冷えないからクリーニングして欲しいと呼ばれてお客様のお宅を訪問しますともうひとつよくある原因があります。
第2の原因、吹き出し口の風力が足りないということです。
エアコンの熱交換器(アルミフィン)部分はよく冷えて、吹き出し口付近の温度は下がっているのにその冷たい空気を部屋に拡げることができないために部屋の温度が下がらないというわけです。
原因は、吹き出し口のファンの詰まりです。
今年は梅雨が長かったせいか吹き出し口やファンにカビがびっしり生えているエアコンを多く見ました。
こんな感じです。
ある店舗の事務所にある一般の壁掛け型エアコンの吹き出し口です。
エアコンの効きが悪いからクリーニングしてほしいとの依頼でした。
ファンがカビやほこりで詰まっています。ファンの回転も目に見えるほど緩やかです。
手をかざしてみても風は微風です。実際に吹き出し口の風速を計ってみると(強風に設定)、1.9m/secでした。
これでは冷たい風が部屋に拡がりません。
温度は16.6度(設定は18度)ですから十分に下がっていました。
早速クリーニングしました。
すっかりきれいになりました。
クリーニング後の吹き出し口の風速は、4.6メートル/sec(強風に設定)。温度は16.6度(18度に設定)でした。
風速は格段に上がりました。その場にいたスタッフの方もその涼しさにびっくりされていました。エアコンの効きを感じるのは、温度だけではなく風の強さなんですね。
温度は少し上がっているのですが、空気が循環している証拠でもあります。一般的に家庭用エアコンの能力は、室外の温度から10度引いた吹き出し温度があれば良しと言われていますので、その日の室外の30度以上の温度からすればOKです。
このエアコンはボディもフィルターもきれいにクリーニングされていました。エアコンの管理はされているということです。
しかし、アルミフィンにはカビがありました。アルミフィン部分や吹き出し口やファンはお客様ではなかなかおそうじできない部分です。
このお店の事務所は、窓がなく湿気がたまりやすいところでしたが、その環境というのはなかなか変えられるものではありません。
やはり日ごろのメンテナンスで対応せざるを得ないのでしょう。
店舗スタッフの方に定期的なメンテナンスをご提案しました。